業界を知るための
キーワード
KEYWORDS

業界理解を深めるキーワードを
いくつかピックアップ。サイト内にも登場します。

あ行

ESG

Environment(環境)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取った言葉。企業が長期的に成長するために重要とされる指標で、昨今では投資の際の評価指標としても使われることが増えている(ESG投資)。

SDG s

Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略。持続可能な世界を築くための目標で、2015年に国連サミットで採択された。「17のゴール」と「169のターゲット」から構成されており、2016年から2030年までの間での達成を目指している。

温室効果ガス

大気中に含まれる二酸化炭素やメタンといったガスのこと。地表を温める効果があるが、増え過ぎると地球全体の温度が上昇し、海面上昇や異常気象などを引き起こす。

か行

海洋プラスチックごみ問題

環境中に捨てられたプラごみの多くが海に流れ込み、魚や海鳥、ウミガメなど多くの海洋生物に被害を与えている。毎年の流出量はおよそ年間800万トン。プラごみは自然分解が進まず数百年以上にわたり残り続けると考えられ、その間に細かい粒になったマイクロプラスチックは、人体への影響も懸念されている。

カーペットタイル

オフィスの床材として広く使われており、産業廃棄物としての廃棄量も非常に多い。上層の繊維素材と下層の合成樹脂素材との分離は困難で、ほとんどが埋め立てられてきた。

カーボンニュートラル

地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量を、森林などによる吸収量と均衡させ、実質「排出量ゼロ」にすること。日本では2050年までの達成を目標としている。

カーボンフットプリント

商品やサービスの製造、使用、廃棄、リサイクルに至るまで、全体を通して排出される温室効果ガスの量をCO2に換算したもの。この「見える化」により、消費者は低炭素につながる生活を選びやすくなる。商品やサービスに分かりやすいカタチで表示される。

気候変動問題

主に温室効果ガスの増加による地球の温暖化と、その結果引き起こされるさまざまな気候の変化を指す。干ばつや豪雨、洪水といった自然災害のほか、海面上昇、生態系の破壊など深刻な問題が見られる。

ケミカルリサイクル

廃棄物を科学的に処理し、他の化学物質に転換して再利用するリサイクル手法。たとえば石油から作られたプラスチックを再び油化するなど。化学物質にまで戻して再利用するため、リサイクル効率が高く、環境負荷低減に大きく貢献できる。ただし実用化へのハードルはまだ高く、これから本格化が見込まれる。

ごみ処理問題

埋め立て地の不足、ゴミ処理費用の高騰、不法投棄による環境汚染といった、ごみの増加に伴う問題のこと。

さ行

再生資源の地消地産

環境負荷低減のためには、廃棄物を資源として再利用するだけでなく、その再生工程において発生するCO2についても低減させることが重要となる。そのためには、廃棄物を遠くの再生施設へ運搬するのではなく(※1)、発生地で資源化、素材化することになる。これを再生資源の地消地産(※2)と呼ぶ。
※1 輸送運搬に船や車を使用することで、新たなCO2を排出することになる。 ※2 製品が消費されたのちに再生するため、地産地消ではなく地消地産である。

サーキュラーエコノミー

循環型経済のこと。大量生産→大量消費→大量廃棄といった従来の「リニアエコノミー(直線型経済)」に対し、廃棄物の再利用(資源化、素材化など)を通じてモノを循環させ、新たな利益を生み出す。CO2削減やごみ処理問題にも貢献する。

サステナビリティ

持続可能性。企業が使う場合には、目先の利益のみを追い求めるのではなく、自然環境や社会システムにも配慮しながら破綻なく持続的に事業活動を行なうことを指す。

サーマルリサイクル

廃棄物を燃やすことで発生する熱エネルギーを回収し利用するリサイクル手法。石炭や石油といった資源の節約ができるといったメリットがある一方、ゴミ焼却処理と事実上は変わらずCO2を多く排出することなどから、リサイクルに分類しない場合もある。

水平リサイクル

「ペットボトルtoペットボトル」のように、同じ製品から同じ製品を繰り返し生み出すリサイクルのこと。基本的には新たな原料を必要とせず、半永久的に循環することができる。

石油精製

原油を精製してさまざまな石油製品を製造するプロセスのこと。具体的な製品としては燃料油や石油化学製品など。

た行

天然資源

石炭や石油、天然ガスなど、長い年月を経て地球に蓄えられてきた資源のこと。枯渇性資源とも言われ、現在のペースで使用を続けると、石炭で100年程度、石油や天然ガスで50年程度のうちに枯渇すると考えられている。

動脈産業/静脈産業

メーカーなど、製品を生み出し世の中に送り出す産業を、心臓で作られた血液を身体のすみずみに送り出す動脈になぞらえて「動脈産業」と呼ぶ。一方、役目を終えた廃棄物を回収・処理し、再び資源や素材に戻す産業を「静脈産業」と呼ぶ。

な行

ナフサ

石油精製において生み出される製品のひとつ。さまざまな石油化学製品の基礎原料に用いられる。廃プラスチックのケミカルリサイクルにおいてナフサの再生が実現できれば、循環型経済への大きな貢献につながるとして期待されている。

は行

廃棄物中間処理

埋め立てといった最終処理を行なう前に、廃棄物に対して実施される中間的な処理のこと。中間処理によってリサイクルが可能になる、最終処分ごみの量が大幅に減る、有害物質が除去される、など、非常に重要な役割を担う。

バージン原料

天然資源をもとに作られる原料。廃棄物をもとにして作られる「再生原料」に対応する言葉として使われることが多い。

バーゼル法

有害廃棄物の輸出入に関する国際的な規定「バーゼル条約」に対応する国内法。このたび改定が行なわれ、リサイクルに適さない廃プラスチックも規制対象に加わった。このことから廃プラスチックの国内処理=リサイクルの最適化がますます重要性を帯びている。

ま行

マテリアルリサイクル

「廃プラスチックを再びプラスチック製品の原料に利用する」といったように、モノからモノへのリサイクル手法。ただし再生効率が高いとは言えず、たとえば、年間850万トンある日本の廃プラスチックのうち、マテリアルリサイクルに利用されるのは1割ほどと言われる。

ら行

ライフサイクルアセスメント
(LCA)

ある製品やサービスのライフサイクル全体における環境負荷を定量的に評価する手法のこと。手法についてはISO(国際標準化機構)による規格が定められている。