- 役員座談会
[再生ビジネスの過去、現在、未来] -
創業メンバーが語る、
再生ビジネスの過去、
現在、未来。
日本における資源再生ビジネスの草分けであるリファインバースグループ。その創業メンバーである役員が集い、20数年前の当時から現在、未来に至るまでを語り尽くしました。現場をずっと見てきた4人だからこそ話せる、リアルストーリー。
MEMBERS
- 越智 晶
代表取締役社長 - 1970年生まれ。明治学院大学法学部卒。
1993年、ノエビアに入社。2000年、大前ビジネスディベロップメンツ設立に参画。2003年にリファインバースを設立。2021年、リファインバースグループ設立。
- 加志村 竜彦
元常務取締役 事業開発部長 - 1974年生まれ。京都大学経済学部卒。
1996年に三菱化学へ入社。2004年、リファインバース設立に参画。カーペットリサイクル事業を立ち上げた後に住友化学に入社。2013年、リファインバースに再入社。
- 柗村 順也
取締役 ソリューション部長 - 1979年生まれ。明治大学理工学部修士卒。
当社と明治大学の共同研究時のゼミ生としてプロジェクトに関与し、2005年にリファインバースへ入社。新しい技術開発や工場の立ち上げを複数経験。
- 瀧澤 陵
取締役 人事部長 兼
資源ビジネス部長 - 1979年生まれ。大原情報ビジネス専門学校卒。
2000年、子会社GMSの前身となる御美商にアルバイトとして入社。各部門責任者を歴任し、2014年にGMSの社長に就任。
MEMBERS
- 越智 晶
代表取締役社長 - 1970年生まれ。明治学院大学法学部卒。
1993年、ノエビアに入社。2000年、大前ビジネスディベロップメンツ設立に参画。2003年にリファインバースを設立。2021年、リファインバースグループ設立。
- 加志村 竜彦
元常務取締役
事業開発部長 - 1974年生まれ。京都大学経済学部卒。
1996年に三菱化学へ入社。2004年、リファインバース設立に参画。カーペットリサイクル事業を立ち上げた後に住友化学に入社。2013年、リファインバースに再入社。
- 柗村 順也
取締役
ソリューション部長 - 1979年生まれ。明治大学理工学部修士卒。
当社と明治大学の共同研究時のゼミ生としてプロジェクトに関与し、2005年にリファインバースへ入社。新しい技術開発や工場の立ち上げを複数経験。
- 瀧澤 陵
取締役 人事部長 兼
資源ビジネス部長 - 1979年生まれ。大原情報ビジネス専門学校卒。
2000年、子会社GMSの前身となる御美商にアルバイトとして入社。各部門責任者を歴任し、2014年にGMSの社長に就任。
「ゴミ屋」と呼ばれた創業期。
―2000年~2008年頃
- 越智
- 前身の会社を含めると20年以上この業界でやってきたわけだけど、創業当時の印象で残っていることとか、何かある?
- 瀧澤
- 当時私は資源回収部門を担当していましたが、業界全体のイメージが今とは全然違いましたよね。産業廃棄物を扱っているというだけで、「ゴミ屋」って呼ばれていましたから。まあ当時のウチの社名が「御美商(ごみしょう)」だったってことも影響しているかもしれませんが(笑)。それは冗談として、当時は法整備もまだ不充分で、不法投棄するような悪徳業者も大勢いたから、良くないイメージが浸透してしまうのも仕方ないともいえるのですけど。
- 加志村
- ゴミ屋はひどいよね(笑)。営業部門ではさすがにそんな扱いは受けなかったけど、提案先となるメーカー側の現場に「エコ」とか「環境保全」といった観点は浸透していなくて、話をしていても全く刺さらない状態だったなぁ。時代的には1997年に京都議定書が採択されて、環境意識への萌芽はあったのかもしれないけれど、商談の場においては全然…といった感じでした。
- 柗村
- 研究開発の分野でも同じような状況でしたね。僕は当時まだ大学のゼミ生で(※リファインバースには産学連携プロジェクトの研究員として参加)、建築材の再資源化について主に研究していたのですが、学会などでも異端の存在で。いつも隅っこのほうにいる感じでした(笑)。産業廃棄物に占める建築廃棄物の割合は小さくなかったので、本来は注目されてもおかしくない分野だったと言えるのですが、当時はまったくそのような関心は持たれていなかったですね。
- 瀧澤
- それから10年ぐらい経っても、大きく時代が変化したような感覚はなかったよね。
「リーマンショック」「3.11」を経て。
―2008年~2015年頃
- 越智
- 2008年に起きたリーマンショックの影響でファイナンス環境が激変して、当社も極限のサバイバル状況を経験した。何とか生き残ることができたけれど、「3.11」によって、またもや社会の意識が大きく変わったよね。
- 瀧澤
- 特にエネルギー問題については、原子力発電の代わりに火力発電に頼らざるを得ず、CO2量の排出抑制といった問題は事実上あと回しになりましたよね。
- 越智
- リーマンショックの後、アメリカの景気刺激策であるグリーンニューディールによって、テスラなど一部の企業が成長してきたり、日本でも3.11の後に再生可能エネルギーのFIT(固定価格買取)制度によって太陽光発電など一部の領域で環境ビジネスが出て来たけど、部分的な動きでしかなかった。特に日本では火力発電に頼らざるを得なかったために、環境に対する意識や具体的な動きは停滞していた時期だったと思う。
- 瀧澤
- もちろんそんな中でも、未来に向けて水面下で動いていた企業もあって。住江織物さんとは、本格的なエコ商品の開発で協業を開始していましたよね。2008年頃にはすでにプロジェクトがスタートしていたので、世の中の流れからすると相当早い時期に、カーペットタイル分野でのサーキュラーエコノミー実現を目指したことになる。住江織物さんの先見性と決断力のおかげです。
- 柗村
- 従来使ってきた製造ラインは、当然ながら石油由来のバージン樹脂を使うことを想定して作られているので、単純に原料を再生樹脂に置き換えればいい、というものでは全然ないんですよね。環境性能が高く、コスト競争力もある製品をつくる、ということは従来は相反すると考えられていたけど、エコロジーとエコノミーを両立させる新しい生産方式を提案し、そこから共同開発を経て、住江織物さんがカーペットの製造ラインを新設するという大英断を下された。
- 越智
- 結果、世界にも類をみない“環境性能が高くコスト競争力もある”リサイクルタイルカーペット商品を世に送り出すことができたけれど、これまた順調に売れるようになるには時間を要した、というのが本当のところだね。
動き始めた、「現在」。
- 瀧澤
- 大きく流れが変わったと感じるのは、本当にここ1~2年のことですよね。メーカーやディベロッパー、建築業界、小売り・流通など業種を問わず、急激に相談が増えてきた。
- 加志村
- ただ、「会社としては環境対応施策を進めるという方針は決まったけれど、現場レベルでは具体的に何から始めればいいのか」と困っているクライアントばかりだよね。
- 柗村
- 単純に、各社で再生技術を研究開発すればいいのでは?と思う方もいるかもしれませんが、ひとくちに“技術”と言っても、核となる基礎技術のほかに、製品化する技術や、生産するための技術など複数ある。これらをそれぞれにカタチにするためには、時間もコストもかかるんですよね。僕らはそれをどこよりも長くやってきた実績がある。だからこそ、「とりあえずリファインバースに相談してみようか」という、今の流れになっているのだと思います。
- 瀧澤
- 先ほども話が出たように、バージン原料を使うのと再生原料を使うのとでは、モノづくりの仕方が全く変わってくる。メーカーは従来のやり方をガラッと変えないといけない。これが実現できるかどうかは、組織の上層部だけの意思決定ではダメで、現場の意識変容や具体的な方針提示など、全体での最適化が必要になる。まずそれができるかどうかで、環境対応がうまくいくか否かも変わってくるよね。
- 加志村
- 我々は単なる技術やノウハウの提供にとどまらずに、全体最適化に向けたソリューションを提供できるという強みも持っている。我々自身が素材メーカーでもあるし、大手メーカーの出身者もいたりするから、クライアント企業の現場ごと、組織レイヤーごとの事情が分かったうえで、現実的な提案ができるのです。そういう点も、多くのクライアントから「とりあえずリファインバース」と頼られている理由の一つなんじゃないかなと。
拡張する、「未来」。
- 瀧澤
- 直近では、三菱ケミカルとの協業や豊田通商との協業が発表されたけれど、これからも次々に新しい動きが生まれてくるのは間違いない。当社に新しくジョインしてくれる方々にも、面白い仕事を手がけるチャンスが豊富にあると、期待してもらっていいと思います。
- 越智
- そうだね。海外展開も視野に入れているけれど、まずは国内に多くあるニーズに対して一つでも多く応え、新規事業を展開していく、というところに注力していくことになるかなと思います。海外については、まずは我々が直接…というよりは、豊田通商との協業事例のように、ライセンス供与といったカタチで関わっていくのが最初かなと。とはいえ、「海外で事業を展開したい!」という意欲と事業アイデアを持った人がいれば、任せる可能性はウチでは高いかもしれないけれど(笑)。
- 柗村
- あと長期的にいえば、CO2を資源化するカーボンリサイクルやバイオマス資源といった、リファインバースがこれまで扱っていなかった分野についても挑戦していきたいですね。
- 加志村
- そうだね。今は生産から消費、埋め立て廃棄、という既存のルートの上でのリサイクルを考えているけれど、そのルート自体が最適解というわけでは必ずしもない。前提から変えてもいいわけで、その意味では我々も新しい分野に絶えず挑戦していくことが重要ですね。
- 越智
- じゃあみんな、これからますます忙しくなるということで、よろしく頼みます!